2006/12/16

映画:『モンスター』

モンスター プレミアム・エディション この映画の主人公アイリーン(映画のなかではおもに“リー”と呼ばれているけれど)は、海外の凶悪犯罪に興味のある人ならたいてい知っている、アイリーン・ウォーノス。そう、1989年から1990年にわたって男性ばかり7人を殺し、アメリカ犯罪史上初の女性連続殺人犯と言われた、あの人です。

 映画はいわゆる、“不幸な生い立ちが彼女を犯罪に駆り立てたのです”というような同情を煽るようなものにはなっていないけど、悲しくてやりきれない映画でした。テッド・バンディとかジェフリー・ダーマーみたいな連続殺人犯は、自分を誇示するために人を殺している場合が多く、その心理はとても理解しがたいし、この人たちを救う方法などなかったのだと思えるけれど、この映画で描かれているアイリーンはそういう連続殺人犯のイメージとはちょっとちがいます。彼女はセルビー(本人の許可がおりなかったのか、実際の名前とはちがっている)というレズビアンの女性と出会い、生まれて初めて人から必要とされる喜び、自分を受け入れてもらえる喜びを知るのですが、セルビーのわがままに翻弄される形で次々と男性を殺し、金品を強奪していったわけで、運命の皮肉を感じずにはいられませんでした。

 この映画、シャーリーズ・セロンが外見までアイリーンそっくりになって熱演しているのが話題になりましたが、たしかにすごい。顔、けっこう似てますねー。肌の荒れ具合とか、むくんだ感じとかもリアルです。それに、服を脱いだときの、お肉のだぶつき具合もすごい。自堕落な生活を送ってきたという感じがよく出ています。13キロ太ったというけど、それだけじゃああはならないと思うので、あれも特殊メイクなのかなあ。

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