2008/06/25

『スウィーニー・トッド』

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 特別版 (2枚組) あれれ、映画館で見たのはついこのあいだのような気がしてたんですが、もうDVDが発売になったんですね。月日のたつのははやいものです(しみじみ)。

 で、この映画、血みどろで残酷なシーンに話題が集中しましたが、そんな大騒ぎするほどの怖さではありません。たしかに冒頭から不気味な雰囲気をただよわせてはいますが、正視できないほどの場面はなかったような……。残酷でありながら、どこかあっけらかんとした演出だしね。喉をかき切られる場面も、切られる瞬間よりは、喉もとにナイフを突きつけられるところのほうがぞーっときます。わたしは思わずおしりがむずむずしてきちゃいました。(^^;)

 そんなことよりは、オリジナルがミュージカルであることを逆手にとった、ティム・バートンならではの演出を楽しむ映画じゃないでしょうか。血の色がやけにうそっぽかったり、怖いなかにも妙なおかしさをただよわせたりと、どこか皮肉っぽく撮っているところがとてもおもしろいと思います。そもそも歌いながら人を殺すなんてありえないですよね。そのありえなさをユーモアにしてしまう発想がすばらしいんです。ほら、ミュージカルって、「どうして?」と問われて、「それはね……」と言っていきなり歌い出したりしますよね。それって考えようによってはすごく滑稽でしょう? その滑稽さがブラックなユーモアとなって、独特の世界を築いているように思いました。

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